2007/04/10

シャルウイダンス

シャルウイダンス この写真のダンサー、MOTO君がアメリカに留学したのは2000年の春、彼が中学校を卒業した年でした。勉強に興味があるわけでもなく、自ら望んだとはいえない彼の留学生活は決して順風満帆ではありませんでした。言葉の壁、人間関係、そして生活環境の激変、彼にとって心休まるところは自分の家だったのでしょう。彼は学歴、英語力を誇示して情報社会を乗り切るようなビジネスマンには興味を示しませんでした。


彼がダンスに興味を持ったのは、お母さんが日本でダンス教室 (渡辺ダンススクール) を開いていたからです。おかあさんは勉強をろくにしないMOTO君が厳しいダンスの世界に入れるとは思いませんでした。はじめはあこがれにすぎませんでしたが、年とともにお母さんの世界に惹かれて行きました。心優しい彼は勉強の代わりにボランティア活動をし、学歴を築くのでなく、コンピュータと向き合いました。お父さん、お母さんが彼のわがままを受け入れるまでにも長い道のりがありました。

親子の絆ほど不思議で時に理不尽であり美しい観念はありません。

MOTO君はいまアメリカで人の役に立つボランティアを通じて人生を学んでいます。彼にとってはボランティアで知り合う社会経験の豊かな人たちが教授です。そして、彼はお母さんやおばあちゃんに限りなく優しくなりました。優しさ、それは彼が命をかけて留学で学び取った無形の学位です。


彼がお母さんにShall we dance?と言える日はすぐそこの未来にあります。 (斉藤克明)