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留学先各国の新型コロナウイルス対策と学校の対応状況

新型コロナウイルスは病としての恐ろしさと、その対策によって被る経済的な打撃という2つの難局があります。ウイルス対策と経済活動のバランスをどのようにとっていくのか。学校の対応は一様ではありませんが、大局的に見た場合、北半球と南半球に大別できます。

本記事では、留学先の国々や学校の新型コロナウイルスへの対応状況をお伝えします。

注意事項: 情報は記事公開時点のものです。各国の新型コロナウイルスの感染状況の変化などによって、国や地域、学校の対応が変更される可能性がありますので、ご注意ください。

ボーディングスクールは学生とスタッフの安全や健康を最優先

北半球のほとんどの学校では、3~4月にキャンパス閉鎖という緊急処置をとり留学生は日本に帰国。オンライン授業で今学年を終了する方針をとりました。一方、南半球のニュージーランドでは1月末に新学期を開始。留学生を国内にとどめ、自粛期間はオンライン授業を継続させました。

海外のボーディングスクールも新型コロナウィルスによって混乱の渦中にありますが、各校とも常に学生とスタッフの「安全」「健康」を最優先に考えて学校運営を行っています。「衛生管理や検査」「ソーシャルディスタンス」「財政支援」「緊急時の保護」「保護者との連絡」などへの取り組みを重視している点は、各国共通です。

本記事では、様々な国や学校の事例を紹介していますが、その施策は必ずしも特定の国や地域だけのものではありません。あくまでも1つの事例としてお考えください。すべてのボーディングスクールは、学生やスタッフの安全や健康に配慮して最善を尽くしています。

北半球の学校の対応について

スイスでは規制緩和が始まっており、4月30日には教育機関に段階的な自粛規制の緩和を行うことがヴォー州政府(Etat de Vaud)から発表されました。アメリカでは官民連携によって新型コロナウイルス対策を行っており、9月からの学校再開に向けて取り組んでいます。またカナダ・ブリティッシュ・コロンビア州のすべての学校は、5月6日に同州首相が発表したリスタートプランに沿って行動しています。

スイスは4月後半から段階的な規制緩和

スイスでは、5月11日に規制緩和の第2フェーズを実行。6月には第3フェーズとしてすべての学校が再開される予定です。

  • 第1フェーズ(4月27日): 特定事業と保健所の再開
  • 第2フェーズ(5月11日): 15歳までの義務教育期間の子どもは登校を許可(※)
  • 第3フェーズ(6月8日): その他すべての学校、大学、レジャー施設が再開される予定

※第2フェーズで海外の留学生のために寮を開けるかどうかは、各校の判断に任されています。

スイスの学校は安全性を重視した対策を徹底

5月11日に寮を再開したある学校では、登校時の安全を確保するため次のような厳しい条件を定めており、登校するか、在宅でオンライン学習を継続するかは各ご家族の判断に委ねられています。この方針はFederal Office of Public Health(連邦保健局)WHO(世界保健機関)の指針を受け、策定されたものです。

  • スイスに戻る際はマスク、消毒液、手袋を携帯
  • ジュネーブ空港から学校までは学校の専用車を使用し、到着時の検査後入寮(一人部屋)
  • 入寮後はオンラインクラスを受講し、2週間後の検査で問題がなければ、クラスに出席可能
  • 検温は毎日3回、外出は近隣に制限
  • 公共交通機関の使用や握手の禁止
  • 同時に学校キャンパス内に滞在できる人数は、全校生徒の50%以内に制限
  • 学生や教職員の登校は輪番制

一方、9月に再開をめざす学校でも、3つの最優先事項「検査」「追跡・見極め」「隔離」の徹底を図るため、到着時のみならず定期的な検査の実行、隔離施設の提供、校内の医療体制などの対策強化に取り組んでいます。 

アメリカは官民が連携し、新型コロナウイルス対策を実施

アメリカでは連邦政府と州および地方政府、民間企業が連携して新型コロナウイルス対策に取り組んでいます。学校教育の運営は州および地方政府がCDC(疾病予防管理センター)や州・地方保健省の提言をもとに具体策を作成し実施。

例えばバーモント州では4月13日までにすべての学校キャンパスを閉鎖し、オンライン学習に移行しました。

参照: CDC(疾病予防管理センター)Vermont Department of Health (バーモント州保健省)

アメリカのボーディングスクールの留学生は帰国、9月からの学校再開を目指す

アメリカのボーディングスクールは新型コロナウイルス感染拡大により3~4月に学校を緊急閉鎖。留学生は母国に帰国し、オンライン学習で今学年度を修了予定です。9月からの学校再開に向けて、次のような取り組みを行っています。

  • 帰国できない留学生(母国が封鎖され帰宅の交通手段がない、母国の感染状況が深刻など)のために滞在先を確保しオンライン学習を支援。
  • 物理的に離れていてもコミュニティの繋がりや一体感を保てるよう教職員がそれぞれの立場で学生とのコミュニケーションを活性化する工夫。(例: 校長のチャペルでのスピーチ、学習サポートセンターの継続、カウンセリングサービス、アドバイザーとの出席確認や悩み相談、保護者との連絡など。)
  • 9月の学校再開に向け、複数のシナリオの作成。例えば9月再開が困難な場合、まずはオンライン学習を開始し、安全確認が取れ次第、キャンパス内での学校生活を開始。再開できた場合でも、オンライン学習と対面学習を組み合わせ、人との間隔に配慮した教室環境や寮環境を準備。
  • 接触が多いスポーツや課外活動に代わり、地の利を生かしたアウトドア活動を取り入れる。
  • キャンパス内の衛生管理を徹底、必要に応じて検査を実施し、感染者が出た場合の隔離や医療体制の確立。

カナダのブリティッシュコロンビア州は、学校教育再開プランを発表

5月6日、ホーガン・カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州首相がリスタートプランを発表。すべての学校は州の教育相が示す次の5段階の学校教育再開プランに沿って行動しています。(5月6日現在は、ステージ4です。)

  • ステージ5: すべての学校は対面授業を休止し、オンライン授業を実施。
  • ステージ4: 社会に必要な職業従事者の子ども、幼稚園~5年生までは対面での授業をパートタイムで実施。それ以外の学生はオンライン学習。
  • ステージ3: 幼稚園~5年生はパートタイムで対面学習。6~12年生も必要に応じて対面学習可能。平行してオンライン学習の機会を継続。
  • ステージ2: 幼稚園~7年生はフルタイムで対面授業。8~12年生はパートタイムで対面授業。中・高校生には平行してオンライン学習の機会を提供。
  • ステージ1: すべての学生は対面授業に戻る。

参照: The Ministry of Education | British Columbia (カナダ ブリティッシュコロンビア州 教育省)

ビクトリアのボーディングスクールは9月の学校再開に向け財政支援を検討

ビクトリアにあるボーディングスクールでは、9月の学校再開を目指し、校内の衛生環境整備だけでなく、在校生の教育の機会を守るための様々な課題に取り組んでいます。その1つが財政支援プログラムです。

新型コロナウィルスの影響で学生が退学したり、人生のチャンスに制限がかけられてしまうことがないよう、「最も必要としている人たちへの支援をしたい」というある学校長は、2020年9月の再開に向けて次のような事項について協議しています。

  • 財政援助:奨学金プログラムの強化、最大100万ドルの資金を予定
  • 学費支払い期限の延期:資金繰りに困難を抱えている家族を対象に支払い期限を延期、利息の免除
  • 寮生への返金:学校閉鎖により未使用分の食費や宿泊費の返金
  • 9月の再開が万が一不可能で、オンライン学習を継続する場合の授業料の見直し

※財政支援の取り組みは、カナダ以外の国でも行われています。

南半球の学校の対応について

南半球の事例として、ニュージーランドの政府や学校の対応をご紹介します。

ニュージーランドは3月下旬に国家緊急事態を宣言

3月23日、ニュージーランド(NZ)のアーダーン首相は国内の死者が報道される前に国家緊急事態を宣言。48時間後に警戒レベルを3から最高レベルの4へ引き上げると発表しました。

  • レベル4 (都市封鎖): すべての学校を閉鎖。
  • レベル3(規制): 1~10年生は部分的に学校再開許可。ただし可能な限り在宅学習を奨励。
  • レベル2(再生): 条件付き安全対策を施し、学校再開。
  • レベル1(準備): 学校や社会活動の全面再開。

参照: NZ保健省NZ教育省在ニュージーランド日本国大使館

正解が何かわからない状況下、経済活動よりも国民の命を守ることを最大目標と定め、国民が理解しやすいよう首相自ら強いメッセージを発することを徹底。4月28日にレベル3、5月14日よりレベル2に移行。5月18日からは完全な形ではないものの学校が再開されます。

留学生は帰国するより、NZに在留することが最善との判断

ロックダウンの発令後、留学生が母国へ帰国する機会はありましたが、短時間での決定と実行が求められました。NZ保健省からの助言を受け、ボーディングスクールは留学生を寮に留める、またはホームステイを手配。「帰国するのは自由です。しかしNZに残るほうが安全です。その場合、私たちが全力でサポートします。」との強いメッセージを発信しました。

一方、保護者に対しては校長や担当者が定期的にニュースを配信。留学生の生活の様子がわかる写真を届けるなど、遠く離れた非常事態下にいる我が子を案じる保護者に対して常にコミュニケーションを図りました。ある学校長からのメールをご紹介します。

「私たちは無事に過ごしています。スタッフ、学生も非常に元気です。キャンパスでは108名が楽しく過ごし、一体感を保って生活しています。皆様のお子さん達は、私たちの子供たちでもあります。彼らのお世話をし、育て、どのような不確かな世界になろうとも、世界を良くしていくような素晴らしい人物になるように指導して行く所存です。どうぞお身体に気を付けてお過ごしください。」( 4月2日付)

学校再開後は校内の衛生管理、集会や礼拝のバーチャル化、手洗いや除菌を徹底。他者との距離を保つため、10人以下をバブルと呼ばれるグループに分け、教室内のスペースを確保するため対面、オンラインの両立で学習を進めます。


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