コロナ禍を経て入学希望者が増加するNZのボーディングスクールを視察
2023年のゴールデンウィークを使い、ニュージーランドの中高校18校を訪問しました。今回の目的は、コロナ禍において最も遅くまで新規留学生の入国、及び外国人に対する国境を閉ざしていた同国の現地事情の視察です。
北島、南島共に、主に寮施設を有する私立と準公立校を巡りました。最も印象に残ったのは、寮施設がある学校の寮生枠が2024年新年度に向けて、ほぼ満席であることです。これは現地の学生、留学生とも同様で、留学生だから入寮枠が無いということではありません。
現地の学生も入寮希望者が多く、特に私立校は国内でも実家が遠方にある学生が増えているのが目立ちます。またハミルトンやティマルなど、人口が増えている地域の学校は、学年によっては定員を満たしており、通学生、寮生共に空席がないという状況のところもありました。
2024年にニュージーランドへの留学を検討中の方は、早々に手続きを開始することをお奨めします。また現地は既に2025年度の入学も受け付けていますので、特に寮制学校をお考えの方は今から準備を始めるとよいと思います。
一方、2年半以上にわたり新規留学生が入学しなかった(できなかった)ことから、留学生担当者やESOL(留学生用の英語クラス)教員が学校を離れたため、今年度以降の留学生の受入れを停止する、と決定した学校もあります。海外からの学生のサポート体制に定評があった学校がそのような決断を下したことは残念に思いました。
最後に訪問したのは、クライストチャーチ市内の4校でしたが、いずれも2011年に発生した大地震の後、校内の多くの建物が新築されました。特に私立校は対応が早く、広大なキャンパスに近代的、かつデザイン性の高い学び舎が並んでいることに感銘を受けました。現地の季節は秋、これから冬に移る時期ですが、紅葉が美しく美しいキャンパスとよく調和しており、学校自体が活気づいている印象を持ちました。
ニュージーランドの中高校は、大学進学のためのアカデミックな授業のみならず、学生一人ひとりの興味や遣り甲斐を重視した科目履修が可能であるのが特徴です。実生活に必要なスキル、例えばアウトドア活動やDIY(身の回りのモノづくりや修繕技術)等、ハンズオン教育が盛んです。自立した大人になるための準備として、学問を含め生きる力を学ぶニュージーランドの教育の有り方を再認識する旅となりました。