【異国での学びが与えた影響】 第3回:「決断の積み重ねが導いた今」(河原凛太郎さん)
「留学」は人生の中で大きなアドベンチャーであり、日本では味わえない体験を通して、自分自身を深く見つめる絶好の機会です。留学中に気づく自身の変化、また留学を終え社会に出た時に「留学体験」が自分に何をもたらしたか?を実感する時が多々あります。
「異国で生活すること」「異国で学んだこと」が自分をどう変えたか?その後の人生にどう影響を与えているか?EDICMのOB/OGや知人が留学を振り返り、その体験が「現在の自分」をどう形作っているのか?
シリーズ第3回は、EDICMからアメリカのThe Rectory School(中学)、Kimball Union Academy(高校)に留学し、その後、Savannah College of Art and Design で芸術を究めた、河原凛太郎さんをご紹介いたします。
選択を正面から迫られた10代、キャンバスと自分自身に向き合う20代
2009年の秋、姉の留学手続きを進めるために原宿のEDICMにお邪魔した。姉の留学の話だったはずなのに、いつの間にか13歳の私でも通える米国の全寮制の中学校の話になっていて、担当のコンサルタントの情熱のある留学コンサルティングで、私はその後、10代のほとんどと20代の前半の10年間をアメリカという土地で過ごすことになった。

The Rectory School (米国コネチカット州)

Kimball Union Academy (米国ニューハンプシャー州)
留学1年目、ホームシック真っ只中だったある日曜の午後、学校ではアクセスを禁止されていたYouTube(この時代です!!)にアクセスして偶然見つけた曲にフラワーカンパニーの元少年という歌がある。サビの “大人だって愚痴るぜ、大人だって逃げるぜ、大人だって遊ぶぜ、大人だって子供だったんだぜ” という部分がすごくお気に入りだった。
今は体重が95kgあってお菓子の「おっとっと」くらいなら指先で粉々にしてしまう私だが、留学した頃は背丈こそ今と変わらないが体重は65kgのスポーツ経験はほぼゼロのひょろひょろしたインドア少年だった。そんな見た目も中身も弱弱しかった私は、留学中に何度も人生に関わる重要な選択を異国で一人で決めなくてはいけなかった。毎シーズンごとに変わるスポーツや課外活動の選択なども小さな決断から、自分の将来に有利な進学先等の大きな決断、当時打ち込んでいたバイオリンの練習時間やバンドの結成なんて今考えてみれば大した事のない事だって真剣に悩んで決定を下していた。個人の選択が尊重されてありがたい反面、面倒で全部ほっぽり出して逃げたいとよく思っていた。

河原さんの作品
それでも時間は前に進むもので、徐々に仲良くなった異国の友人たちと切磋琢磨し、学校や寮の先生にご指導いただきながら、いくつもの困難も乗り越えて心身共に成長した私は今、新米アーティストとして、今夏に初の個展の開催を控えている。振り返るともっと自分自身に真摯に向き合い、がむしゃらに勉強してもよかったなと思うこともある。だけど、やっぱりコロナ下の就職難を経て、戸惑いながらも常に自分にできる精一杯の表現や選択を模索できたのは、アメリカ時代に色々な決断を迫られ、自分で判断させてもらえたからだと思う。13歳の時、親元離れて、何でも自分で考えて行動してきた10年間が今の自分の自信になっている。
きっと今もどこかで留学生が故郷の音楽を聴きながら、いつかいい思い出になる午後を過ごしているんだろうなと思いながら、大人になっちゃった僕はぶつぶつ仕事の愚痴を言っている。そして仲間との明日の予定を楽しみにしながら、目の前のキャンバスに向き合っている。
河原さんの個展の案内
河原さんは、2025年7、8月に銀座と高円寺で個展を開催されます。ぜひ、足をお運びください。
ManBunRhino キャラクター絵画 個展 ”逃げ〼〼(ますます)”
- 日時:7月29日(火)- 8月3日(日)/ 10:00 〜 17:00
- 場所:フラッグ・ギンザ・ギャラリー / 中央区銀座 1-22-8
- 日時:8月4日(月)- 8月11日(月)/ 10:00 〜 18:00
- 場所:古民家 オルタナティブスペース / 杉並区高円寺 4-20-4