【EDICMの学生紹介】世界の医療現場を見つめて ~ チェコ・カレル大学医学部 H.S.さんの現在とこれから
6月から8月にかけて、私達スタッフはサマースクールに参加中の学生を見守る傍ら、久しぶりにオフィスに来て下さる卒業生から、近況報告やご家族の様子をお聞きしたり、中学高校時代の留学について「実はあの時・・・」といった昔話をする機会が頻繁にあります。
昨年に続いて、今夏も国立カレル大学医学部(チェコ)に在籍するH.S.さんに、日本で過ごす短い休暇中にお会いすることができ、お話を聴くことができました。
Q:昨年、難関の病理解剖学と病態生理学の試験が課される3年次をクリアすれば、そのの後の進級はハードルが下がるとお聞きしていましたが、4年次はどのように過ごしたのでしょうか?
4年生のカリキュラムと取り組みは、それまでの3年間と比較し負荷が小さかったです。日々のテストは普通に行われますが、生活全般や環境にだいぶ馴れてきたこともあり乗り越えられました。薬学と神経学が最難関でした。
3年生は実習が増える為、まとまった休暇期間は無かったのですが、授業は1~2限目のみで、午後はフリーという日もあったので、自分のペースで過ごすことができました。
Q:日本へ戻って来る直前まで、タンザニアに滞在していたとお聞きしました。何をしていたのでしょうか?
医療ボランティアとして、現地の国立病院で働きました。動機は「せっかく海外の大学の医学生なのだから、世界の医療事情を見てみたい」と思ったからです。外来患者の診察のお手伝いをはじめ、院内は自由にどの科も見学することができました。
カルテや検査結果が手書きで、普段はコンピューターを使っている為、解読に手間取りました。スワヒリ語も少し使いました。日本の病院見学は、割といつでも可能であるので、これから先、卒業するまでに欧州やアメリカの病院も見学ができれば、と考えています。
Q:現時点で、病院実習ではどの言語を使うことが多いのですか?
英語、チェコ語の医療系の言葉は問題ありません。臨床実習で、患者さんに症状を尋ねる際はマニュアルがあるのです。チェコ語は日常会話が難しい為、5年生へ進級したら、習い事をしてチェコ語のブラッシュアップを図りたいと考えています。恐らく自分が好きなアートになると思います。
Q:日本での病院実習はどこで行うのですか?
今夏は山口県と静岡県の病院にお願いしました。日本での実習では、意外と日本語が難しいかも?と推測しています。チェコでは全く使わないので、患者さんやスタッフに失礼にならないように、と少し緊張しています。
実習内容は、大学からの指定項目が色々あり、例えば、ECG(心電図の読み方)、レントゲン読み方、内科を見るように、そしてタンザニアでは外科を指定されました。2025年冬には、栃木県の病院へ行きました。日本国内も色々行ってみたい、というのが今の希望です。
Q:5年生以降の予定を教えてください。
カレル大学の大学病院では、毎日実習があります。それをしっかり行うことがまず前提です。6年生の履修が終わる2028年6月に大学を卒業し、8月に研修医として働ける病院へ履歴書を送付、そして翌年(2029年)2月に国家試験を受験します。現時点では産婦人科を志望していますが、まだ実習は少ししかやっておらず、5年生から授業が始まります。
そこで、万一思ってたのと違うかも?ということになったら、母体を診る方に比重を置きたいと考えています。赤ちゃんを診たいということになれば、小児科の方が良いかも?とも推測しています。その後、2年間の研修医期間を終了すると、専攻医を選択(診療科毎)し、合計5年間勤務します。
アメリカで医師として働けるようになるまでには、高校卒業後、約17年を要しますので、日本は短い方かも知れません。5年生へ進級できることが決まり、この後は留年や退学の危機も殆ど無いので、家族は安心しています(笑)
学業以外にはどのようなことをして過ごしているのでしょうか?
色々やっていますよ(笑) 今夏、プラハでスカイダイビングに挑戦しました。また大学のある街(フラデツ)のマラソン大会(2026年3月10Km、2027年20Km)にも参加したいと思っています。
タンザニアへ渡航する際、在籍する大学病院で狂犬病やサルモネア等、予防接種を多く打ちました。医学部で学んでいて、健康で体力があることは医師としての必須条件と感じるようになりました。同級生はドイツ、イタリア、スリランカ、ドバイ、イギリス出身者で、アジア(中国や韓国等)は殆どいません。
世界中から学生が集まるTASIS Englandのキャンパス
TASIS England (イギリス) 卒業時に様々な進路を検討したH.S.さんですが、現在の自分の置かれている状況について、「医学部の勉強はシステム化されているので、着実にコツコツ積み重ねていくことが求められます。自分の性格にとても合っているので、満足しています」と明るく話す姿に、頼もしさを感じました。
TASIS England時代の同級生や友達は、イタリアで弁護士になる等、世界で活躍しはじめています。医師免許を取得した後のH.S.さんが、どこでキャリアを重ねるのか、とても楽しみです。来夏も是非、“その後”のお話を聞かせて頂けることを楽しみにしています。
H.Sさんが昨年オフィスを訪ねてきてくれた時のインタビューは、下記のブログにてお読みいただけます:
世界を舞台に活躍する医師を目指して~英国ボーディングスクールからチェコの医学部へ~
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